Google Japan本社に呼ばれた話
突然Googleからメールが来た。
内容は、「AdSenseの有力ユーザーを集めてセミナーとか懇親会とかやるから来なよ!」というもので、そりゃまぁ行きますわ。すぐに参加希望の申し込みをした。
というわけで5月25日、六本木ヒルズにあるGoogle株式会社(Google Japan Inc.)のオフィスで開催された「2014 AdSense Partner Summit in 東京」に参加してきた。サミットと言うからにはなんかすごいんだろうな、と期待しつつ……
25日の朝10時前に会場であるGoogle Japan本社に到着すると、六本木ヒルズのスタバの横に受付があった。そこで招待状と名刺1枚を渡した。
名刺1枚を渡すというシステムについては、おそらく懇親会で100人規模の名刺交換が始まると収集が付かなくなってしまうので、あらかじめ1枚だけを預かり、その情報をうまく共有させて円滑に事を進めるためだろうと予想した。このイベント自体がGoogle+で管理されていたので、名刺情報もそこで公開範囲を参加者に限定して共有すれば、参加者にGoogle+という自社サービスを利用させつつ同時にコミュニケーションを促すこともできる。
名刺1枚を渡すというシステムの裏にこういうスマートなアイディアが見えたので、僕は「Google先生はやっぱり頭がいいなぁ〜」なんて思った。
が、聞いてみたら実際は名刺1枚を渡すことに大した意味はないようで、「どういう人が参加したのかをGoogleが知るため」という程度であったw 僕が見たスマートなアイディアは幻覚でしかなかった。そしてイベント終了後も参加者の情報は特に共有されないという……
それはさておき、受付を済ませるとGoogleのオフィスがあるフロアに案内された。サミットはまずセミナーから始まる。それが始まるまでの間は、「バー」と呼ばれるところで待つ。
一見すると、単に他人同士が集まってそわそわした感じだ。しかし招待されたのはAdSenseで稼いでいる猛者およそ100人だ。大手サイトのように月数百万、数千万を稼ぐようなレベルではないかもしれないが、ここに呼ばれている以上、みな只者ではない。戦いは既に始まっていたはずだ。僕の実力では確認出来なかったが、おそらくこの時点で命を落とした者もいるに違いない。脱落者というのは得てして人知れず消えゆくものだ。
始まるまでは朝食を自由に食べていいとのだった。バーカウンターにはパンや飲み物が用意されていた。
何も食べずに来た僕はお腹が空いていたので、チョコパイとくるみパンとコーヒーをもらってきた。
結構ボリュームがあるせいで食べるのに時間がかかり、セミナー開始ギリギリまで食べ終わらなかった。
その結果セミナーを行う部屋の席はほとんど埋まってしまい、中途半端な隙間の席に「すいません、ここいいですか?」と言って座った。
水は飲み放題。
セミナー開始前には、GoogleのCMが流されていた。開始後の撮影はNGなので、セミナーに関する写真はこれだけ。
セミナー内容は、主にモバイルの重要性についてだった。非常に正しく、そして重要なことではある。
ただ、AdSenseで稼いでいる人が呼ばれているので、モバイルが欠かせないのはみんな痛いほどわかっているだろうし、そもそもモバイル欠かしてここに呼ばれた強者なんているのか!?と思わずにはいられなかった。
セミナーは午前と午後に分かれており、午前が終了すると懇親会と称した昼休みになる。
Googleの食堂と言えば、専属シェフが振る舞う豪勢なバイキングで有名だ。僕はわくわくしていた。この昼休みにそれを堪能できる! そう思うとセミナー中からよだれ垂れ流し状態であった。このサミットに参加したのもむしろ食堂目当てだったと言っても過言ではなかった。
しかしだ! 昼食で食堂は使われず、朝食と同じようにバーカウンターに軽食が並ぶだけだった!
これはショックだった。大いにショックであった。写真の奥には食堂の扉が写っている。てっきりその扉とともに食欲のパラダイスが開かれるのだと思っていた。自分は楽園へのチケットを手にしていたのだと思っていた。ああ食堂よ……それははかない夢であった……
落ち込んでいても仕方ないので食べ物とグレープフルーツジュースを取ってきた。
唐揚げも取ってきた。
唐揚げの下にはポテトがこっそりと仕込まれている。参加者は日本人らしさを発揮していて、みんなちょっとずつしか食べ物を取って行かなかった。そのせいで唐揚げが結構あまっていたので、僕はもう一回唐揚げを取りに行った。
バーの窓側はこんな感じで、とても見晴らしがいい。
そしてお分かりいただけるだろうか、この懇親してる感じの全然ない懇親会が……
懇親会と名の付いているものの、Google側が何かをするわけでもなく、ただの昼休みだった。「面識のない人達を100人集めたとしても、自由にさせとけばみんなすぐに打ち解けて盛り上がっちゃうよね☆」というメリケン思考で企画してしまった感がある。「ルールやモラルで縛らずに日本人を動かす」という行為の難しさを見くびっているように思える。集まった人達も、大雑把に言えば「日本人をどう動かすか」を日夜考えている人達なわけで、僕以外にも同じように思った人はいるだろう。
まぁこの写真が撮られた後に段々と会話する人も増えたのだが、活発に懇親が行われて盛り上がっていたとは言えない状態だった。
会場にはこんなものも。
ストリートビューのあれこれ。
モニターに囲まれてストリートビューをがっつり体感できる装置もあった。最初は「おお!すげぇ!」と興奮したが、いろいろいじってみると意外と面白くない。
午後のセミナーの詳しい内容は忘れたが、多言語対応の重要性についてだとかそういうことをやっていた。
午前、午後のセミナー両方で思ったことがある。
「これ、レジュメでよくね?」
質疑応答もなく、スライドを順次表示しながら進め、一方的に情報を伝えていくという真面目なスタイルだ。でもそれならばレジュメを配るほうが効率良さそうだし、参加者もメモを取る必要がなくて楽だ。
セミナーの撮影がNGなので情報の秘匿のためなのかもしれないが、セミナー内容はデータの提示と概論に終始していたので、全情報が公開されても特に問題なさそうである。
価値のないセミナーでは決してなかったが、一参加者にとしては「そうだよね、そうだよね、あるある」という程度の情報しかもらえなかったのが非常に残念であった。
しかし、セミナーの後の個別事例のパネルディスカッションは面白かった。有名サイトの運営者が3人登壇し、「実際に何をやったのか」について話してくれた。
これはそこそこ具体的な話をしてくれたので結構良かった。あまり長い時間はやらなかったが、こちらをメインにした時間配分だったらもっと面白くなったかもしれない。
パネルディスカッションが終わると、後は申し込んだ人だけが参加するワークショップがあるだけで、全体としては解散である。
僕はワークショップを申し込んでいなかったので、これで終了だった。もっとすごいことが起こるんじゃないかと期待ていたが、なんだか消化不良気味に終わってしまった。
せっかくGoogleに来たのだから、なんか記念にほしいなぁとも思ったが、ここは観光地ではない。お土産屋さんのように「Googleに行ってきましたまんじゅう」だとか「Androidカステラ」とか「AdSenseクッキー」なんてあるわけ——
あったぁぁぁぁ!!! なんとアンケートに答えたらAdSenseクッキーがもらえたのだ!
なんだこれ! なんでこんなん作った!?
AdSenseクッキーを大事にしまいつつ、バーカウンターに目をやるとお菓子がいっぱい並んでいた。またこれも自由に食べていいという。
「健康なんか……どうなったってかまわない!」という覚悟を感じ取れる鮮やかなGoogleの文字。
こんな風に何でもかんでも自由に取らせれば喜ぶと思うのは大間違いである。
まぁ、全部取ったけど……美味しかったけど……
見晴らしのいい席でおやつタイム。
なんとお酒も飲み放題だった。
でもセミナーに来てお酒をもらう日本人なんてそうはいないだろうにw
……モヒートもらいました。
Google、最高だよね☆
さて、帰る前にGoogleの社員さんとも少し話したのだけれども、このサミットは手探り感満載だった。Googleに来られただけでも結構楽しいのだから、もうちょっと工夫すれば相当面白いイベントになったはずだ。
根本的なところで良くなかったのは、参加者に「なぜ呼ばれたのか」を理解させないまま呼んだことだろう。ビジョンを提供しなかった。だから参加者はどう行動するのが正しいのかを判断出来ず、ただ座って話を聞くだけで終わってしまった。AdSenseの猛者と言ってもそれは同時にGoogleに生殺与奪を握られているようなものなので、自分の判断で勝手に行動するなんてことは到底出来ない。すごい人達が集まっているのに、なんらかのクリエイティブなアクションをしやすい場でなかったのは、非常にもったいない。
とはいえ、結構ボロクソに言っているようだけども、楽しかったのでまた開催されたら行きたいと思う。
とりあえず以下の点を実行すれば、個人的には相当面白くなるんじゃないかと思う。
・サミットの目的を明確化して周知
・承諾した参加者の情報をGoogle+で限定的に共有し、コミュニケーションを促進
・懇親会を「日本人の懇親のためのアーキテクチャ」として設計する
・レジュメでセミナーの時間を短縮し、パネルディスカッションの時間を増やす
特に懇親会をうまく設計してほしいと思っている。
たとえば当ウェブ研はCGMメディアを主に作っているのだけど、そうなってくるとスマホゲームを作っている人やブロガーやなんかとはやってることが大きく違う。だから互いに懇親を図ろうとしても、使う用語すら通じないことだってあるだろう。おまけにいろんな人と懇親を深めても互いのサービスには全く役立たないなんていうこともあり得る。
したがって「AdSenseユーザー」で一緒くたに懇親会をしても無駄が多く、分野ごとに集めたほうがいい。
もっと言うと、どうせ放っといてもみんな積極的には話さないから、分野ごとの班に分け、それぞれの席も決め、Google側で決めた順番で強制的に自己紹介や個別事例を話すようにしたっていいくらいだ。
異分野との交流が無意味だとは思わないが、せっかく集まっているのだから同じ分野で交流をどんどん促進させてこそ面白くなるはずだ。
また、パネルディスカッションはゲスト以外を登壇させたっていい。共有した参加者情報があれば、「登壇してもらいたい方がいるという方はいませんか?」とでも聞けば他薦で登壇候補が何人も出てくるだろう。そうなれば実際に登壇してくれる人もいるはずであり、実際にAdSenseで稼いでいるのだから、適当に質疑応答を進めれば面白い情報をしゃべってくれるだろう。
というわけで、次回はもっと面白いイベントになってくれることを願っている。めっちゃ願ってる。
おまけ
ちょうどオクトーバーフェストがやっていたので帰りに寄ってみた。
いろんなビールとドイツ料理。大人の縁日という感じ。
なんだかんだで結構楽しい一日でした。
Google先生、ありがとうございました!
他の方の記事
この記事では真面目にイベント内容を書いていないので、詳しく知りたいという方は他の参加者の方が書いた記事を読んでください。
・Google AdSense日本版公式ブログ
Inside AdSense : 2014 AdSense Partner Summit in 東京を開催しました
参加者みんなで記念写真を撮るとのことだったが、僕がラウンジに行った時にはもう撮影が終わっていた……
・参加者の記事
Googleで聞いたサイトを中長期的に成長させるポイント | iscle[イズクル]
AdSense Partner Summit in 東京に参加してきたので、セミナー内容のメモをシェアします | Someya Masatoshi.jp
【レポート】AdSense Partner Summitに行ってきた!ユーザーに焦点を絞れーー!!| らふらく^^ ~ブログで飯を食う~
Google Adsense Partner Summit in 東京! | Yujiro Sakaki Website
5/25「AdSense Partner Summit in 東京」に参加した | アフィリエイト執事ブログ
Google の「2014 AdSense Partner Summit in 東京」に参加してきました | なにごとも経験
2014 AdSense Partner Summit in 東京に行ってみた | TRIVIAL TECHNOLOGIES 4 @ats のイクメン日記
Google AdSenseの東京イベント・セミナーに行ってみた。アドセンスのお勉強|ミマコの素肌美人ブログ
追記
モバイル端末でいくつかの画像が上下逆になるのを修正しました。